熟年離婚が過去最高の24.2%に!なぜ長年連れ添った夫婦が別れるのか?
「子どもも独立したし、これからは夫婦でのんびり暮らそう」
そんな老後を思い描いていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ところが今、気になるニュースが報じられています。
20年以上連れ添った夫婦が離婚する「熟年離婚」の割合が、離婚全体の24.2%となり、過去最高を記録したというのです。
さらに、離婚カウンセラーによると、離婚を切り出すのは7~8割が女性だといいます。
なぜ、何十年も一緒に暮らしてきた夫婦が、人生の後半で別々の道を歩むことになるのでしょうか。

長年の我慢が限界に達したのでしょうか。それとも、子育てや仕事が一段落し、自分の人生を見つめ直すようになったのでしょうか。
今回は、話題の「熟年離婚」をキーワードに、その背景や注意点、そして離婚を選ばずに夫婦関係を見直す方法まで考えてみたいと思います。
熟年離婚が過去最高の24.2%に!なぜ長年連れ添った夫婦が別れるのか?
熟年離婚の割合が過去最高の24.2%に。なぜ長年連れ添った夫婦が別れるのか、女性が離婚を切り出す背景、財産分与の注意点、夫婦関係を見直す方法、離婚後の新たな人生についてシニアにもわかりやすく解説します。
長年一緒にいた夫婦に、いったい何が起きているのか?
1.熟年離婚とは?離婚全体の24.2%という数字
一般に「熟年離婚」とは、長年連れ添った夫婦が離婚することをいいます。法律で決められた年齢の区分ではありませんが、今回の報道では、同居期間が20年以上の夫婦の離婚を取り上げています。
厚生労働省の人口動態統計をもとにした関西テレビの報道では、同居期間20年以上の夫婦の離婚が、離婚全体の24.2%に達したと紹介されました。
つまり、成立した離婚のおよそ4件に1件が、20年以上連れ添った夫婦の離婚だったということです。
ただし、これは「結婚した夫婦の4組に1組が熟年離婚する」という意味ではありません。あくまでも、離婚した夫婦の中での割合です。
また、離婚全体の件数は2002年をピークに減少傾向にある一方、熟年離婚の割合は高まっています。
この数字から見えてくるのは、単純に離婚する人が増え続けているということではなく、長年連れ添った夫婦の離婚が、離婚全体の中で存在感を増しているということです。
2.なぜ熟年離婚を選ぶ女性が多いのか?
今回の報道では、離婚カウンセラーの経験として、離婚を切り出すのは女性が7~8割という話が紹介されました。
これは離婚全体を対象にした公的統計の数字ではなく、カウンセラーが相談を通じて感じている傾向です。それでも、熟年離婚を考えるうえで気になる話ではあります。
背景として、いくつかの事情が考えられます。
① 長年の不満を心の中にためてきた
夫婦の間に大きなけんかがなくても、心の中に不満が積み重なっている場合があります。
例えば、
- 家事や介護を自分ばかりが担ってきた
- 仕事や家庭の苦労を理解してもらえなかった
- 話しかけても、きちんと聞いてもらえなかった
- 自分の希望よりも、いつも相手の都合が優先された
一つひとつは小さなことでも、何十年も積み重なると大きな問題になることがあります。
相手にとっては「今まで普通に暮らしてきた」という認識でも、もう一方は「ずっと我慢してきた」と感じているかもしれません。
夫婦であっても、相手の気持ちをすべて理解できるわけではないのです。
② 子どもが独立し、夫婦二人の生活に戻った
子育て中は、学校や仕事、家計など、毎日の用事に追われます。
夫婦間に不満があっても、子どものために家庭を維持することを優先してきた人もいるでしょう。
ところが、子どもが独立して夫婦二人の生活に戻ると、今まで見えにくかった問題が目立つようになることがあります。
「これから何十年も、この人と二人で暮らすのだろうか」
そんな疑問が生まれ、これからの人生を考え直す人もいるのかもしれません。
③ 女性の経済的な自立と、長寿化
以前は、専業主婦など、経済面で夫に頼らざるを得ない女性も少なくありませんでした。
しかし、現在は女性が働くことも一般的になり、離婚後の生活を具体的に考えられる人もいます。
また、人生100年時代といわれる今、60代であっても、その後の人生は長く続く可能性があります。
「残りの人生を、もっと自分らしく生きたい」
そう考えて、離婚を選ぶ人がいるのです。
もちろん、女性だけが我慢しているわけではありません。男性側にも、夫婦関係に悩んでいる人や、孤独を感じている人がいます。
大切なのは、性別だけで決めつけず、夫婦それぞれの気持ちや事情を見ることです。
3.「突然の離婚」に驚く側と、長年悩んできた側
今回の報道では、20年以上連れ添った妻が家を出て、帰宅すると家ががらんとしていたという男性の体験も紹介されました。
男性は、妻がいて当たり前だと思っていたことや、相手の気持ちを十分に察することができなかったことへの後悔を語っています。
こうした話を聞くと、残された側の寂しさも伝わってきます。
ただ、ここで考えたいのは、一方にとって突然の出来事でも、もう一方にとっては長い時間をかけて考えた末の決断だった可能性があるということです。
不満を口にしている間は、相手に改善を期待しているのかもしれません。
しかし、何度伝えても変わらないと感じると、やがて話すこと自体を諦めてしまう場合もあります。
もちろん、黙っていることが必ず離婚の準備を意味するわけではありません。仕事や健康、年齢による気持ちの変化など、理由は人それぞれです。
だからこそ、夫婦の間で大切なのは、相手が何も言わなくなったことを「問題が解決した」と決めつけないことではないでしょうか。
4.熟年離婚を考えたら、まず確認したいお金の問題
長年連れ添った夫婦の離婚では、感情面だけでなく、お金の問題も重要になります。
特に注意したいのが、財産分与です。
財産分与とは?
財産分与とは、離婚する際に、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を分ける制度です。
対象となる財産は、預貯金や不動産など、個別の事情によって異なります。名義が夫婦のどちらか一方になっていても、それだけで分与の対象外になるとは限りません。
一方、結婚前から持っていた財産や、相続などで得た財産は、原則として別に扱われます。具体的な判断は財産の内容や経緯によります。
熟年離婚では、長年の貯蓄や住宅、退職金などが関係する場合もあり、財産の全体像を把握することが簡単ではありません。
離婚を考える場合には、感情的な話し合いだけで進めず、次の点を確認しておくことが大切です。
- 預貯金や証券口座などの資産
- 自宅などの不動産と住宅ローン
- 退職金や年金に関する情報
- 夫婦それぞれの借入金や負債
- 離婚後に必要となる住居費や生活費
相手の財産を隠したり、十分に確認しないまま合意したりすると、後でトラブルになる可能性があります。
財産分与のルールや請求期間には法改正も関係するため、離婚を具体的に考える段階では、弁護士などの専門家に相談すると安心です。
離婚を急いで決める前に、感情とお金の問題を分けて整理すること。 これは、どちらの立場にとっても大切です。
5.離婚を決める前に、夫婦関係を見直すことはできる?
今回の報道では、夫婦関係を修復するための段階を踏まずに、離婚へ進むケースがあるという専門家の指摘もありました。
もし、夫婦のどちらかが「このままではいけない」と感じているなら、できることはあるのでしょうか。
① 相手を責める前に、自分の気持ちを伝える
「あなたはいつも自分勝手だ」
「何もしてくれない」
このような言い方では、相手も身構えてしまい、話し合いが進まないことがあります。
例えば、
「家事を一人で抱えているように感じて、少し疲れている」
「これからの生活について、一緒に考えたい」
というように、自分がどう感じているのかを伝えてみる方法があります。
相手を責めることよりも、これからどうしたいのかを共有することが大切です。
② 夫婦それぞれの時間を持つ
夫婦だからといって、いつも一緒に行動する必要はありません。
趣味や友人との交流、一人で過ごす時間を大切にすることで、お互いに気持ちの余裕が生まれる場合もあります。
退職後、夫婦が一日中同じ空間で過ごすようになり、息苦しさを感じることもあるでしょう。
そんなときは、別々の時間を楽しむことも、夫婦関係を続けるための一つの工夫です。
③ 二人だけで難しければ、第三者に相談する
夫婦だけでは冷静に話せない場合、夫婦カウンセリングなどの第三者を交えた話し合いが役立つこともあります。
ただし、暴力や脅し、支配的な言動がある場合は、無理に二人で話し合うことが安全とは限りません。自分の安全を優先し、専門の相談窓口などに相談してください。
そして忘れてはいけないのは、関係の修復は、どちらか一方だけが努力すれば必ず成功するものではないということです。
離婚を避けることだけを目標にするのではなく、お互いが安心して暮らせる関係なのかを考えることが大切です。
6.熟年離婚のあとに、もう一度パートナーを探す人も
熟年離婚という言葉には、寂しさや苦労といった印象があるかもしれません。
しかし、離婚後の人生がすべて不幸になるわけではありません。
今回の報道では、中高年を対象とした婚活イベントも紹介されました。離婚を経験した人が、これからの人生を一緒に楽しめるパートナーを探すために参加しているといいます。
再婚を望む人もいれば、一人の自由な生活を楽しみたい人もいます。
友人との旅行や趣味、地域活動などを通じて、新しい人間関係を築く道もあります。
年齢を重ねたからといって、人生の選択肢がなくなるわけではありません。
ただし、新しいパートナーを探す場合にも、生活費や住まい、健康、家族との関係など、現実的なことを話し合っておくことが大切です。
結婚することだけが幸せなのでも、一人で暮らすことだけが自由なのでもありません。
自分にとって、どんな暮らしが心地よいのか。
それを考え、自分の意思で選べることが大切なのだと思います。
まとめ:長い夫婦生活だからこそ、言葉にすることを忘れない
熟年離婚が離婚全体の24.2%を占めるというニュースは、長年連れ添った夫婦の関係について、改めて考えるきっかけになります。
家族のために頑張ってきた年月があっても、気持ちがすれ違うことはあります。
一方で、相手がいつもそばにいることに慣れ、感謝や思いやりを伝える機会が少なくなってしまうこともあるでしょう。
もし今、夫婦関係に違和感を覚えているなら、何も言わずに我慢を続けるのでも、勢いで結論を出すのでもなく、まずは自分の気持ちとこれからの生活を整理してみてはいかがでしょうか。
そして、もし離婚という選択をするなら、生活費や財産分与、住まいなどを事前に確認し、必要に応じて専門家の助けを借りることも大切です。
夫婦で暮らし続ける人生も、別々の道を歩む人生も、それぞれに事情があります。
大切なのは、周囲の価値観に合わせることではなく、自分と相手の人生を尊重しながら、納得できる選択をすることではないでしょうか。
nikoshibaからの一言
長年一緒にいると、相手がそばにいることが当たり前になってしまいます。
でも、「ありがとう」「お疲れさま」「最近どう?」という何気ない一言が、夫婦の心をつなぐこともあります。
人生の後半は、まだまだ長い時間です。
夫婦で歩むにしても、それぞれの道を選ぶにしても、これからの人生を大切にできる選択をしたいものですね。
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