パスキーも危ない?ネット証券の資産を守るために今すぐ確認したいこと

最近、ネット銀行やネット証券を利用している方にとって、心配なニュースが続いています。

証券口座の乗っ取り、不正な株取引、フィッシング詐欺。そして今度は、パスキーを保存しているAppleやGoogleのアカウントが悪用された疑いのある事案まで報じられました。

「パスキーまで危ないのなら、何を信じればよいの?」

そう感じた方も多いのではないでしょうか。

私たちシニア世代にとって、ネット証券やNISAは、老後の生活を支える大切な資産を管理する場所です。

長年働いて貯めたお金や、コツコツ積み立ててきた投資信託を、犯罪者に奪われるわけにはいきません。

しかし、難しいセキュリティの仕組みをすべて理解する必要はありません。

大切なのは、危険な手口を知り、自分にできる対策を一つずつ実行することです。

今回は、パスキーの問題から、Apple・Googleのアカウント保護、証券口座の取引ロックまで、初心者にも分かりやすく解説します。

パスキーも危ない?ネット証券の資産を守るために今すぐ確認したいこと

ネット銀行やネット証券の不正アクセスから大切な資産を守る方法を解説。パスキーの仕組み、Apple・Googleのアカウント保護、取引ロック、NISAの積立投資を安全に続けるための対策をシニア向けに紹介します。


1.なぜ今、ネット証券のセキュリティが重要なのか?

以前は、証券口座のIDやパスワードを盗まれないように注意することが中心でした。

しかし、最近の攻撃はそれだけではありません。

例えば、次のような手口があります。

  • 証券会社を装った偽メールやSMSを送る
  • 本物そっくりの偽サイトへ誘導する
  • ログインIDやパスワード、認証コードを盗む
  • パソコンやスマホを不正なプログラムに感染させる
  • AppleやGoogleなど、認証情報の保存先となるアカウントを狙う

金融庁も、証券会社を装う偽サイトなどによる不正アクセスや不正取引について注意を呼びかけています。

つまり、証券会社の口座だけを守ればよいわけではなく、そこへつながるスマホやメール、Apple・Googleのアカウントなども守る必要があるのです。

2.パスキーも破られた?本当は何が起きたのか

ここは誤解しやすいので、整理しておきましょう。

パスキーとは、従来のパスワードに頼らず、スマホの顔認証や指紋認証、端末のロック解除などを使って本人確認する仕組みです。

偽サイトにパスワードを入力して盗まれるタイプのフィッシング詐欺に強いことが、大きな特徴です。

ところが、2026年10月に証券業界で注意喚起された事案では、フィッシングなどによってAppleやGoogleのアカウント情報が不正取得され、クラウド上に保存されたパスキーやパスワードのメモが悪用された疑いがあるとされています。

ここで重要なのは、パスキーの仕組みそのものが破られたと確認されたわけではないという点です。

パスキーを保存しているアカウントや端末が不正に利用されれば、別の問題が起こり得るということです。

たとえるなら、パスキーは頑丈な鍵です。しかし、その鍵を管理する金庫のアカウントを乗っ取られたり、玄関の管理を突破されたりすれば、危険が生じる可能性があります。

だからこそ、パスキーの利用と、Apple・Googleのアカウント保護をセットで考える必要があるのです。

3.Apple・Googleのアカウントを守る

スマホを使っている方の多くは、AppleまたはGoogleのアカウントを利用しています。

これらのアカウントには、写真やメールだけでなく、パスワードやパスキーなどの情報が保存されている場合もあります。

次の対策を確認しましょう。

① 二要素認証を有効にする

Apple AccountやGoogleアカウントには、パスワードだけでなく、追加の本人確認を行う仕組みがあります。

まだ設定していない方は、公式の設定画面から確認しましょう。

② 突然届いた認証通知に応じない

自分でログインしていないのに、認証コードやログイン承認の通知が届いた場合は要注意です。

身に覚えがなければ承認せず、コードを他人に教えないでください。

③ パスワードをメモ帳にそのまま保存しない

パスワードを忘れないように、スマホのメモ帳へ記録している方もいるでしょう。

しかし、メモ帳の内容がアカウントの乗っ取りなどで見られれば、危険が広がる可能性があります。

必ず、メモロックを利用しましょう。(メモに残すパスワードはそのままでなく自分なりに文字を追加するなど工夫が必要です)

パスワード管理機能など、安全性を考慮した方法を使いましょう。

④ 不審なメールやSMSからログインしない

「アカウントが停止されます」
「本人確認が必要です」
「不正アクセスを検知しました」

こうしたメッセージが届いても、記載されたリンクからログインしないこと。

確認する場合は、普段使っている端末の設定画面や公式アプリから行いましょう。

4.ネット証券はパスキーを設定すべき?

私の考えでは、利用している証券会社がパスキーなどのフィッシングに強い認証方式を提供しているなら、積極的に利用を検討すべきです。

金融庁も、証券口座の不正アクセス対策として、パスキーなどの認証方式の利用を呼びかけています。

ただし、設定しただけで終わりではありません。

次の点も確認しましょう。

  • ログイン時の追加認証
  • 取引時の追加認証
  • 出金時の追加認証
  • 出金先口座を変更するときの認証
  • ログインや取引の通知機能

利用できる機能は証券会社によって異なります。

すべての機能が同じように提供されているわけではないため、自分が利用している証券会社の公式サイトで確認してください。

5.長期保有のNISAは「取引ロック」を検討する

SNSなどでは、長期保有する投資信託やNISAの資産について、取引を制限する機能を活用してはどうか、という提案も見られます。

これは検討する価値のある考え方です。

例えば、毎月積み立てている投資信託を長期保有する予定で、頻繁に売買する必要がない場合。

証券会社が提供する取引一時停止機能や、取引制限などの機能があれば、利用条件を確認してみましょう。

ただし、注意点があります。

「取引ロック」という名称や機能が、すべての証券会社に共通しているわけではありません。

また、ロックの対象がログインなのか、株式の売買なのか、出金なのかによっても意味が異なります。

機能によっては、必要なときに解除手続きが必要だったり、対象外の取引があったりすることも考えられます。

設定する前に、公式サイトで対象範囲や解除方法を確認しましょう。

私なら、長期保有資産については、次の順番で検討します。

  1. パスキーなどの強固な認証を設定する
  2. ログイン・取引・出金の通知を有効にする
  3. 不要な取引を制限できる機能があれば検討する
  4. 定期的に残高や取引履歴を確認する

ただし、取引制限だけに頼るのではなく、認証や通知の対策と組み合わせることが大切です。

6.シニアでもできる!資産を守る7つの習慣

難しい設定が苦手な方は、まず次の7つから始めましょう。

① 証券会社のサイトをブックマークする

メールやSMSのリンクからログインせず、登録したブックマークや公式アプリからアクセスします。

② パスキーなどの強固な認証を利用する

証券会社が提供している場合は、公式の手順に従って設定しましょう。

③ Apple・Googleのアカウントを保護する

二要素認証を確認し、知らないログイン通知を承認しないようにします。

④ パスワードを使い回さない

複数のサービスで同じパスワードを使うと、一つが漏れたときに他のサービスまで危険にさらされます。パスワードも英文字大小・記号・数字の組み合わせで10桁以上で・・

⑤ 取引や出金の通知を設定する

不審な操作に早く気づけるように、利用できる通知機能を有効にします。

⑥ スマホやパソコンを最新の状態に保つ

OSやアプリの更新には、セキュリティ上の修正が含まれることがあります。

⑦ 定期的に口座を確認する

身に覚えのない取引や出金先の変更がないか、定期的に確認しましょう。

毎日難しい操作をする必要はありません。自分が続けられる方法で、習慣にすることが大切です。

7.もし不審なログインや取引に気づいたら?

「自分は何もしていないのに、取引履歴に知らない売買がある」

「身に覚えのない認証通知が届いた」

このような場合は、放置しないでください。

まず、証券会社や銀行の公式窓口へ連絡し、必要に応じて口座の利用停止や取引制限を相談しましょう。

認証情報が漏れた可能性がある場合は、安全な端末から関連アカウントのパスワード変更や認証設定の見直しを行います。

不正な送金や取引があれば、金融機関への連絡に加えて、警察への相談も検討してください。

大切なのは、慌ててメールのリンクを押したり、相手から指定された電話番号へ連絡したりしないことです。

私が考える、これからの資産防衛

私は、投資では銘柄選びや売買のタイミングだけでなく、資産を守ることも重要だと考えています。

どれほど良い投資信託を選び、時間をかけて資産を増やしても、口座の安全管理がおろそかでは安心できません。

一方で、セキュリティのニュースを見て、ネット証券やNISAを利用すること自体が怖くなってしまう必要もありません。

大切なのは、便利さを捨てることではなく、便利さと安全性を両立させることです。

パスキーを使う。
Apple・Googleのアカウントを守る。
怪しいリンクを押さない。
取引通知を設定する。
必要なら取引制限も検討する。

こうした対策を一つずつ積み重ねれば、何も対策しない状態よりも、リスクを減らすことができます。


まとめ

ネット銀行やネット証券のセキュリティ対策は、今後ますます重要になります。

パスキーは有力な防御手段ですが、認証情報を管理するアカウントや端末の安全も欠かせません。

特に覚えておきたいのは、次の3点です。

  • パスキーを設定し、Apple・Googleのアカウントも守る
  • メールやSMSのリンクからログインしない
  • 取引通知や取引制限など、利用できる防御機能を確認する

難しい設定を一度に全部やろうとしなくても大丈夫です。

まずは、普段使っている証券会社の公式サイトを開き、セキュリティ設定を確認するところから始めてみましょう。

大切な老後資金を守るために、投資の勉強と同じように、資産を守る勉強も続けていきたいですね。

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