AIの答えを信じて大丈夫? 間違い・詐欺・偽情報から身を守る方法

AIは賢い。でも、何でも正しいわけではない!

最近、GoogleのAIやChatGPTに質問して、調べ物をする人が増えています。

スマホの操作方法から料理の献立、旅行先の情報、健康の疑問まで、聞けばすぐに答えてくれる。まるで、いつでも相談できる物知りな友人ができたようです。

ところが、ここで一つ大切なことがあります。

AIは、間違ったことでも、正しそうな口調で答えることがあるのです。

AIの答えを信じて大丈夫? 間違い・詐欺・偽情報から身を守る方法

人間なら「ちょっと自信がないな」と言葉を濁す場面でも、AIはきれいな文章で説明してくれることがあります。だからこそ、つい信じてしまうのですね。

さらに最近は、AIで作られた偽の画像や動画、著名人になりすました投資広告なども問題になっています。政府も、偽情報やディープフェイクへの注意を呼びかけています。

便利なAIを怖がる必要はありません。しかし、AIを上手に使うためには、答えをうのみにしない習慣が必要です。

今回は、シニア世代が知っておきたい「AIの間違い」「AIを悪用した詐欺」「偽情報の見分け方」を、身近な例で解説します。

AIの答えを信じて大丈夫? 間違い・詐欺・偽情報から身を守る方法

AIの答えは本当に正しい? シニア向けに、AIの間違い、偽の動画や投資広告、SNSの偽情報を見分ける方法を解説。個人情報を守るコツや、詐欺が疑われるときの相談先も紹介します。

1.AIはなぜ間違えるの?

AIは、たくさんの情報をもとに、質問に合いそうな回答を作ります。しかし、いつでも最新の情報を持っているとは限りませんし、情報が不足している場合には、誤った内容を答えてしまうこともあります。

例えば、こんな場面を想像してください。

  • お店の営業時間を尋ねたら、古い営業時間を案内された。
  • スマホの設定方法を尋ねたら、自分の機種にはないメニューを説明された。
  • ニュースについて尋ねたら、事実と異なる説明をされた。
  • 実在しない本や資料、情報源を紹介された。

AIが間違えることを、専門的には「ハルシネーション」と呼ぶことがあります。日本語では「幻覚」と訳されます。

難しい言葉ですが、要するに、AIが本当ではないことを、本当のように答えてしまう現象です。

人間でも、知ったかぶりをする人がいますよね。AIも、いつも正解する先生というわけではないのです。

AIの回答を確認する3つの習慣

① 情報の出どころを確認する

回答に参考リンクがある場合は、実際に開いて確認しましょう。リンクがあるからといって、内容まで正しいとは限りません。

② 別の情報源でも調べる

特にお金、健康、安全に関わる情報は、官公庁やメーカー、医療機関などの公式情報も確認します。

③ 日付を確認する

制度、料金、営業時間、キャンペーンなどは変わります。「以前は正しかった情報」が、今も正しいとは限りません。

AIの答えは、最終結論ではなく、調べるための出発点と考えると安心です。

2.AIで作られた偽の動画や広告に要注意!

最近は、実在する人物の顔や声を使って、本物そっくりの動画を作る技術が発達しています。

こうした技術を悪用した偽の映像などは「ディープフェイク」と呼ばれます。

例えば、SNSを見ていたら、有名な経営者や著名人が登場して、こんなことを話していたとします。

「この投資方法なら、誰でも簡単に資産を増やせます!」

しかも、動画の中では本人が流ちょうに話している。これでは信じてしまいそうですね。

しかし、本人が実際に話しているように見えても、本当に本人が発信したとは限りません。

2026年8月には、日本の警察庁など7府省庁が、SNS上の著名人などになりすました詐欺広告への対策強化を事業者に要請しました。AIなどを悪用した偽の動画や広告が、投資詐欺などにつながることが問題になっています。

こんな広告には注意!

  • 「必ずもうかる」「損をしない」と強調する。
  • 「今すぐ登録しないと損」と急がせる。
  • 著名人や有名企業の名前を使って信用させる。
  • 投資のためにLINEなどのグループへ誘導する。
  • 個人情報や銀行口座の情報を入力させる。
  • お金を振り込むように求める。

もちろん、著名人が登場する広告がすべて偽物というわけではありません。しかし、顔や声だけで本物と判断するのは危険です。

動画の中の人物を信じる前に、公式サイトなどで本人が本当に発信しているかを確認しましょう。

「有名人が言っていたから安心」ではなく、「本当に本人が言ったのかな?」と一度立ち止まることが大切です。

3.SNSで見つけた情報、本当かどうか確かめよう

SNSでは、驚くようなニュースや、思わず誰かに教えたくなる情報が流れてきます。

例えば、

「この食品を食べるだけで、病気が治る!」

「政府が新しい給付金を発表!今すぐ申請を!」

「大地震が明日起こることが判明!」

こんな投稿を見たら、気になってしまいますよね。

しかし、驚く情報ほど、すぐに信じたり、家族や友人に転送したりしないことが大切です。

偽情報を見分ける4つのチェックポイント

① 誰が発信しているのか?

発信者の名前や公式アカウントを確認します。見慣れたロゴや有名人の写真が使われていても、偽アカウントの可能性があります。

② いつ発信された情報なのか?

何年も前の写真やニュースが、まるで今日起きた出来事のように再投稿されることがあります。

③ ほかの報道機関も伝えているか?

重大なニュースなら、官公庁の発表や複数の信頼できる報道機関で確認してみましょう。

④ 公式サイトに同じ情報があるか?

給付金や行政手続きなら、自治体や関係省庁の公式サイトを確認します。リンク先が不自然な場合は、投稿のリンクを押さず、公式サイトを自分で検索してアクセスしましょう。

政府の「偽情報にだまされないために」という案内でも、情報源や発信時期、ほかのメディアの報道、画像や動画の不自然な点などを確認するよう呼びかけています。

AIは、情報の確認を手伝ってもらう相手としても活用できます。

例えば、SNSで気になる投稿を見つけたときは、次のように質問してみましょう。

質問例①:ニュースの確認

「SNSで『〇〇という制度が始まった』という情報を見ました。本当かどうか、公式情報を確認する方法を教えてください」

質問例②:投資広告の確認

「有名人が投資を勧める動画を見ました。詐欺広告かどうかを判断するために、確認すべきポイントを教えてください」

質問例③:健康情報の確認

「『〇〇を食べれば薬がいらなくなる』という情報を見ました。信頼できる情報なのか、公的機関や医療機関の情報をもとに確認する方法を教えてください」

ただし、ここにも注意点があります。

AIに「本当ですか?」と聞くだけで、真偽が確定するわけではありません。

AI自身が間違える可能性もあるため、公式サイトや信頼できる資料まで確認することが大切です。

AIに答えを決めてもらうのではなく、確認すべき場所や疑問点を教えてもらう。そんな使い方がおすすめです。

5.AIに入力してはいけない情報もある

AIを使うときには、質問の内容にも気をつけましょう。

例えば、次のような情報を不用意に入力するのは避けてください。

  • 銀行口座の暗証番号やパスワード
  • クレジットカードの番号やセキュリティコード
  • マイナンバーなどの重要な個人情報
  • 他人の住所や電話番号、個人的な情報
  • 個人を特定できる医療書類や身分証明書の画像

サービスによってデータの取り扱いは異なります。利用するAIのプライバシー設定や利用規約も確認しましょう。

また、AIから「このアプリを入れてください」「この電話番号に連絡してください」と案内された場合でも、すぐに従わないでください。

特に、突然の警告画面に表示された電話番号へ電話したり、相手に言われるまま遠隔操作アプリを入れたりするのは危険です。

不安をあおられても、慌てて操作しない。これが自分を守る基本です。

6.もし詐欺かもしれないと思ったら?

「もしかしたら、だまされたかもしれない……」

そんなときは、恥ずかしがらず、できるだけ早く相談しましょう。

  • 消費者ホットライン:188(いやや!)
    消費生活センターなどの相談窓口につながります。
  • 警察相談専用電話:#9110
    緊急の事件・事故ではない警察への相談に利用できます。
  • 緊急の場合:110番
    犯罪の被害が進行中など、緊急の対応が必要な場合に利用します。

お金を振り込んでしまった場合は、銀行や決済サービスの窓口にも速やかに連絡してください。メッセージや広告、振込記録などは、できるだけ保存しておきましょう。

「こんなことを相談したら笑われるのでは……」と心配する必要はありません。詐欺の手口は巧妙になっています。早めに相談することが、被害を小さくする助けになります。

7.シニア世代こそ、AIを賢く使おう!

ここまで読むと、「AIは便利だけれど、なんだか怖いな」と感じた方もいるかもしれません。

でも、必要以上に怖がることはありません。

AIは、スマホの操作を教えてくれたり、難しいニュースをわかりやすく説明してくれたり、旅行や料理のアイデアを出してくれたりする頼もしい道具です。

大切なのは、AIを使わないことではなく、AIの得意なことと、苦手なことを知っておくことです。

私たちが若いころも、新聞やテレビの情報を見て「これは本当かな?」と考えることがありました。AIの時代になっても、基本は同じです。

ただし、今は文章だけでなく、写真や動画まで本物そっくりに作れる時代です。だからこそ、昔以上に「すぐに信じない」「すぐに送金しない」「すぐに拡散しない」という3つの習慣が大切になります。

AIは便利な相談相手。でも、最後に判断するのは私たち自身です。

AIに使われるのではなく、AIを使いこなす。そんなシニアを目指して、これからも新しい技術を上手に取り入れていきましょう!

まとめ|AIの答えを信じる前に、ひと呼吸

今回のポイントを振り返ります。

  • AIは、正しそうに見える間違いを答えることがある。
  • 有名人の顔や声を使った偽の投資広告に注意する。
  • SNSの情報は、発信元・日付・公式情報を確認する。
  • AIに真偽を尋ねても、最後は信頼できる情報源で確かめる。
  • パスワードや暗証番号などの重要情報を入力しない。
  • 不安を感じたら、一人で抱え込まず相談する。

「便利だから信じる」から「便利だからこそ確認する」へ。

この小さな習慣が、AI時代の大きな安心につながります。


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