AIやネットから個人情報を守るには?シニアが今すぐできる7つの対策
便利なAI、でも個人情報は大丈夫?
最近、ChatGPTやGeminiなどのAI(人工知能)が、私たちの生活にも身近なものになってきました。
分からないことを質問したり、文章を作ってもらったり、旅行の計画を立てたり。使い方を覚えると、とても便利な道具です。
ところが、気になるニュースもあります。
2025年11月、セキュリティ企業のTenableは、ChatGPTのテストで、
AIの安全対策を回避し、利用者の情報が漏れるおそれのある複数の弱点や攻撃方法を発見したと発表しました。
また、2026年10月には、国内のさまざまな組織で不正アクセスによる情報漏えいが相次いでいるとして、関係機関が注意を呼びかけています。

つまり、AIだけでなく、私たちが普段使っているインターネットのサービスにも注意が必要なのです。
「それなら、AIは使わないほうがいいの?」
いえ、必要以上に怖がることはありません。
大切なのは、便利な道具を使いながら、自分の情報を守る方法を知っておくことです。
今回は、スマホやパソコンが苦手なシニアの方にも分かるように、具体的な対策をご紹介します。
AIやネットから個人情報を守るには?シニアが今すぐできる7つの対策
ChatGPTやGeminiなどのAI、インターネットを安心して使うために、高齢者が知っておきたい情報漏えい対策をやさしく解説。個人情報の守り方、パスワード管理、詐欺メールへの対応、被害に遭ったときの相談先まで、シニアが今日からできる7つの安全対策を紹介します。
AIを使う前に知っておきたい!高齢者が気をつけるネット詐欺と情報漏えい
1.まず知っておきたい「情報漏えい」とは?
情報漏えいとは、本来、他人に知られてはいけない情報が外部に漏れてしまうことです。
例えば、こんな情報が考えられます。
- 氏名、住所、電話番号
- 銀行口座やクレジットカードの情報
- ネット銀行や証券会社のログイン情報
- メールやチャットの内容
- 家族や友人の個人的な情報
こうした情報が悪意のある人の手に渡ると、詐欺メールが届いたり、本人になりすましてサービスを利用されたりする危険があります。
特に注意したいのは、情報が漏れた直後には、被害に気づかないこともあるという点です。
ある日突然、身に覚えのない請求が届く。自分が送っていないメールが送信される。
そんなことが起きる前に、日頃から対策しておきましょう。
2.AIに個人情報を書き込まない
ChatGPTやGeminiを使うとき、最初に覚えておきたいルールです。
AIに相談するときは、他人に知られたら困る情報を書き込まない。
例えば、こんな使い方は避けましょう。
- 「私の住所は〇〇です。近くの病院を教えて」
- 「銀行口座番号と暗証番号を教えるので、管理方法を考えて」
- 「家族の氏名や電話番号をまとめて」
- 「証券口座のログインIDとパスワードを整理して」
相談したいことがあっても、個人情報を伏せれば十分に質問できる場合が多くあります。
例えば、
「私は70代です。スマホ初心者にも分かるように、銀行のセキュリティ対策を教えてください」
これで十分です。
年齢や大まかな状況など、回答に必要な情報だけを伝えるようにしましょう。
なお、AIに入力した内容が必ず外部に漏れるという意味ではありません。サービスごとにデータの取り扱いは異なりますが、入力する情報を必要最小限にすることが大切です。
3.AIが読んだホームページにも注意する
少し難しい話ですが、知っておいて損はありません。
AIには、インターネット上の文章などを読み取って回答する機能があります。
その文章の中に、AIをだますための命令が隠されていることがあります。
例えば、普通のホームページに見えても、目に見えない部分やコメントなどに、AIに向けた不正な命令が仕込まれている場合です。
こうした攻撃は「間接プロンプトインジェクション」と呼ばれています。
簡単に言えば、AIに読ませた文章の中に、悪い命令が隠されているということです。
ただし、悪い文章を見ただけで、必ず情報が盗まれるわけではありません。実際に被害が起きるかどうかは、AIの機能や安全対策などによって異なります。
私たちが覚えておきたいのは、次の3点です。
- 知らないサイトの情報をむやみに信用しない
- AIが勧めたリンクでも、すぐに開かない
- AIに銀行や証券の操作を安易に任せない
特に、お金に関係する操作は、自分で公式サイトを確認してから行いましょう。
4.パスワードは使い回さない
これはAIを使う人も、使わない人も大切な対策です。
例えば、メール、通販サイト、ネット銀行、証券会社で、すべて同じパスワードを使っていたとします。
もし通販サイトからパスワードが漏れたら、同じパスワードを使っている別のサービスにも侵入される危険があります。
そのため、次のことを心がけましょう。
- サービスごとに異なるパスワードを使う
- 推測されやすい誕生日や電話番号を避ける
- 可能なサービスでは多要素認証を設定する
- パスワードをメールやメモアプリに無防備に保存しない
多要素認証とは、パスワードだけでなく、スマホに届く確認コードなど、もう一つの方法でも本人確認を行う仕組みです。
パスキーという方法もあります。
ただし、どの方法でも絶対に安全というわけではありません。サービスが提供する本人確認の仕組みを利用し、怪しい通知には応じないことが重要です。
5.「緊急」「今すぐ」という連絡ほど疑ってみる
最近の詐欺は、文章だけでなく、電話の声や動画まで本物そっくりに作られることがあります。
例えば、こんな連絡です。
「あなたの銀行口座が不正利用されています」
「今日中に手続きしないと、アカウントが停止されます」
「警察です。あなたの口座が犯罪に使われています」
こうした連絡が来たら、慌てて操作しないでください。
相手が教えてきた電話番号やリンクは使わず、自分で調べた公式窓口に確認する。
これが基本です。
家族から「お金を振り込んで」と連絡があった場合も、普段使っている電話番号にかけ直すなど、別の方法で本人に確認しましょう。
AIで声をまねることができる時代だからこそ、「声が家族に似ているから本物」とは限らないのです。
6.スマホやパソコンの更新を後回しにしない
スマホやパソコンの更新には、新しい機能だけでなく、見つかった安全上の弱点を修正するためのものもあります。
「今は普通に使えているから、更新しなくてもいい」
そう思うかもしれませんが、弱点が残ったままになる場合があります。
次のことを確認しましょう。
- iPhoneやAndroidの更新通知を確認する
- パソコンのOSを最新の対応バージョンに保つ
- LINEやブラウザーなどのアプリを更新する
- 使っていないアプリは整理する
更新を求める偽の広告もあるため、広告の「今すぐ更新」を押すのではなく、スマホ本体の設定画面や公式のアプリ配信サービスから更新しましょう。
7.もし情報が漏れたかもしれないと思ったら?
ここが大切です。
不審なメールを開いた、怪しいサイトにパスワードを入力した、身に覚えのないログイン通知が届いた。
そんなときは、落ち着いて対応しましょう。
ケース1:怪しいリンクを開いただけ
リンクを開いただけで、必ず被害が起きるわけではありません。
何も入力していない場合でも、不審な画面が出たら閉じましょう。ファイルをダウンロードしたり、アプリをインストールしたりした場合は、詳しい人や公式サポートに相談してください。
ケース2:パスワードを入力してしまった
すぐに、そのサービスの公式サイトや公式アプリからパスワードを変更しましょう。
同じパスワードをほかのサービスでも使っていた場合は、そちらも変更します。
可能であれば、ログイン履歴を確認し、不審な端末やセッションをログアウトしてください。
ケース3:銀行や証券会社の情報を入力してしまった
すぐに銀行や証券会社の公式窓口へ連絡してください。
不審な取引がないか確認し、必要な利用停止などの対応を相談しましょう。
ケース4:お金を振り込んでしまった
すぐに振込先の金融機関と、警察に相談してください。
時間がたつほど対応が難しくなることがあるため、ためらわずに連絡することが大切です。
困ったときは、消費者ホットライン「188」や、警察相談専用電話「#9110」も相談先になります。緊急の事件・事故は110番です。
シニアが今日からできる「安全チェックリスト」
難しい設定を一度に全部やる必要はありません。
まずは、できることから確認してみましょう。
- □ AIに住所・口座番号・パスワードを書き込まない
- □ メールやSMSのリンクをすぐに押さない
- □ パスワードを使い回さない
- □ 重要なサービスでは多要素認証を利用する
- □ スマホのアップデートを更新する
- □ 銀行や証券の通知を確認する
- □ 困ったときに相談する家族や窓口を決めておく
一度にすべてできなくても大丈夫です。今日はスマホの更新を確認する、明日は銀行のログイン方法を見直す。そんな進め方でも十分です。
まとめ:AIを怖がるより、使い方を知ろう
AIは、暮らしを便利にしてくれる道具です。
分からないことを質問したり、文章を考えてもらったり、スマホの使い方を教えてもらったり。シニア世代にとっても、心強い味方になってくれます。
一方で、AIもインターネットも、使えば必ず安全というわけではありません。
情報漏えいのニュースを聞くと不安になりますが、必要以上に怖がって、便利なものをすべて遠ざける必要もありません。
大切なのは、次の3つです。
① 個人情報を必要以上に入力しない。
② 急がせる連絡や不審なリンクを信用しない。
③ お金や重要な設定は、公式窓口で確認する。
この3つを覚えておくだけでも、被害を防ぐための大切な一歩になります。
スマホもAIも、正しく使えば暮らしを助けてくれる便利な道具です。
「分からないから使わない」ではなく、「分からないことは確認しながら使う」。
そんな姿勢で、これからのデジタル時代を安心して楽しんでいきましょう。
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