イオン系スーパー約100店閉店へ!インフレの逆風はなぜ想定以上なのか?

「最近、スーパーで買い物をすると、以前より高くなったなあ……」

そんなふうに感じることはありませんか?

納豆やヨーグルト、牛乳、卵など、毎日の食卓に欠かせない食品。ひとつひとつは数十円の違いでも、毎日買い続けると家計への負担は大きくなります。

そんな中、2026年10月9日、イオングループの食品スーパーを運営するユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)が、2030年度までに約100店舗を閉店する方針を明らかにしました。

対象となるのは、首都圏を中心に「マルエツ」「カスミ」「いなげや」などを展開するスーパーです。

同社の井出武美社長は、閉店店舗数が膨らんだ背景について、インフレが想定以上に厳しいと説明しています。

私たち消費者にとっても、これは気になるニュースです。

「食品が高くなったから、お客さんが離れているのだろうか?」

「イオン系のスーパーは、ほかのスーパーと比べて高いのだろうか?」

「なぜ物価が上がると、スーパーまで経営が苦しくなるのだろう?」

今回は、こうした疑問を通じて、インフレの逆風が食品スーパーに与える影響と、私たち消費者の暮らしについて考えてみます。

イオン系スーパー約100店閉店へ!インフレの逆風はなぜ想定以上なのか?

イオン系食品スーパーが2030年度までに約100店舗を閉店する方針を発表。インフレの逆風でなぜスーパーは苦しくなるのか?納豆やヨーグルトなど食品の値上がり、仕入れ価格や人件費の上昇、消費者の節約術をシニア向けにわかりやすく解説します。

なぜ今、約100店舗も閉店するのか?

まず、誤解しないようにしたいことがあります。

今回のニュースは、イオンのスーパーが一斉に100店舗閉店するという意味ではありません。

閉店方針を発表したのは、マルエツ、カスミ、いなげやなどを傘下に持つUSMHです。2030年度までに約100店舗を閉める計画で、2026年10月時点ですべての対象店舗が公表されているわけではありません。

背景には、いくつもの問題があります。

① 仕入れ価格が上がっている

食品スーパーは、商品を仕入れて販売する商売です。

仕入れ価格が上がれば、販売価格を引き上げる必要が出てきます。

しかし、食品は生活必需品です。

価格を上げすぎれば、お客さんが安い店へ移ってしまう可能性があります。

つまり、仕入れ価格が上がっても、その分を簡単に販売価格へ上乗せできないのです。

② 人件費・電気代・物流費も上がる

スーパーの経営を圧迫するのは、食品の仕入れ価格だけではありません。

  • 従業員の人件費
  • 冷蔵・冷凍設備の電気代
  • 商品を運ぶ物流費
  • 店舗の賃料や設備の維持費

こうした費用も経営に影響します。

売上が増えていても、費用がそれ以上に増えれば、利益は減ってしまいます。

実際、USMHの親会社グループの事業報告でも、人件費や物流費などの上昇が経営課題として示されています。

③ 古い店舗や周辺人口の変化

今回の閉店対象は、築40~50年程度の店舗や、周辺の人口動態、店舗の状況などを考慮して選ばれると報じられています。

古い店舗は、設備の更新や改装に多額の費用がかかることがあります。

さらに、周辺の人口が減ってお客さんが少なくなれば、売上を維持することも難しくなります。

つまり、今回の閉店はインフレだけで説明できるものではありません。

物価高、店舗の老朽化、人口の変化、競争の激化が重なった結果と考える必要があります。

納豆やヨーグルトが高い?消費者の本音

ここで、私たち消費者の立場から考えてみましょう。

スーパーで買う商品は、毎日の生活に直結しています。

例えば、納豆、ヨーグルト、牛乳、卵、食パンなど。

どれも特別なぜいたく品ではなく、日常的に購入する食品です。

そのため、数十円の値上がりでも気になりやすいものです。

同じ商品でも、店によって価格が違う

例えば、納豆やヨーグルトを買う場合でも、価格は次のような条件で変わります。

  • メーカーやブランド
  • 内容量やパック数
  • 特売の有無
  • プライベートブランドかどうか
  • 店舗や地域による価格設定

そのため、「イオン系はすべて高い」と一概には言えませんが、消費者には高いと映るようです。

消費者がいつもの商品を買おうとしたとき、以前より値段が高くなっていれば、「この店は高くなった」と感じるのも自然なことです。

大切なのは、単に店の名前だけで比較するのではなく、同じメーカー、同じ内容量、同じ商品で価格を比べることです。

安さを求める消費者は増えている

物価高が続けば、家計を守るために買い物の仕方も変わります。

例えば、

  • 特売日にまとめて買う
  • プライベートブランドの商品を選ぶ
  • チラシやアプリで価格を比較する
  • 少し離れた安いスーパーへ行く
  • 必要なものだけを買う

こうした工夫をする方もいるでしょう。

スーパーにとっては、お客さんに来てもらうために値下げや販促を強化する必要があります。

しかし、値下げをすれば利益が減ることもあります。

ここに、インフレ時代の難しさがあります。

安く売れば売るほど苦しくなる?

少し不思議な話ですが、スーパーは安売りをすれば必ずもうかるわけではありません。

例えば、ある商品を100円で仕入れ、120円で販売していたとします。

この場合、単純計算で1個当たりの差額は20円です。

ところが、仕入れ価格が110円に上がったとします。

それでもお客さんに買ってもらうため、販売価格を120円のままにすれば、差額は10円になります。

さらに、競争に勝つために115円で販売すると、差額はわずか5円です。

※仕入れ価格と販売価格の関係を説明するための仮定例です。実際のスーパーの利益率を示すものではありません。

ここから、人件費や電気代、物流費などを支払わなければなりません。

これでは、たくさん売れても十分な利益を確保できないことがあります。

反対に、値上げをすればお客さんが離れるかもしれません。

安くすれば利益が減り、値上げすれば客離れが心配になる。

これが、食品スーパーを襲うインフレの逆風なのです。

イオンは価格対策をしていないの?

もちろん、イオン側も物価高に対応する取り組みを進めています。

2026年には、プライベートブランド「トップバリュ」の価格据え置きや、対象商品の値下げ、増量企画などを打ち出してきました。

2026年8月には、秋以降の価格戦略として、145品目の期間限定値下げや115品目の増量企画を発表しています。

つまり、企業側も消費者の節約志向を理解し、価格を抑える努力をしています。

ただし、価格対策を行うことと、すべての店舗で十分な利益が出ることは別の問題です。

商品を安く提供する努力を続けながら、店舗運営に必要な費用も確保しなければなりません。

この両立が、今の食品スーパーに求められています。

消費者はどうすればよいのか?

では、私たちは物価高の時代に、どのように買い物をすればよいのでしょうか。

私がおすすめしたいのは、無理に我慢するのではなく、買い方を少し工夫することです。

① よく買う商品の価格を把握する

納豆、ヨーグルト、牛乳、卵、食パンなど、よく購入する商品の価格を覚えておきましょう。

すべての価格を暗記する必要はありません。

いつも買う5~10品目だけでも、価格を比較する目安になります。

② プライベートブランドも活用する

スーパー独自のブランド商品は、メーカー品より安く設定されている場合があります。

ただし、内容量や原材料、味などが異なることもあります。

価格だけでなく、自分に合った商品かどうかも確認しましょう。

③ 安いからといって買いすぎない

特売品を見つけると、つい多めに買いたくなります。

しかし、使い切れずに捨ててしまえば、節約になりません。

特に一人暮らしや夫婦二人暮らしのシニア世帯では、食べ切れる量を購入することも大切です。

④ お店の利便性も考える

少し安いスーパーがあっても、遠くまで出かけるために交通費がかかったり、体力を使ったりすることがあります。

価格だけでなく、移動の負担や買い物のしやすさも考え、自分に合ったお店を選びたいものです。

6.スーパーの閉店は地域の暮らしにも影響する

スーパーがなくなると、買い物の場所が一つ減るだけではありません。

近くに住む高齢者にとっても働く人にも、日常生活に大きな影響が出る可能性があります。

特に、車を運転しない方や、歩いて買い物に行く方にとって、近所のスーパーは生活を支える大切な存在です。

店舗が閉店すれば、遠くまで出かけなければならなくなることもあります。

だからこそ、企業の経営を立て直すことと、地域の買い物環境を守ることの両方が重要です。

店舗の統廃合が進む場合には、移動販売や宅配サービスなど、地域の実情に合った対策も考えていく必要があるでしょう。

まとめ

インフレの逆風は、消費者にも企業にも吹いている

今回のイオン系食品スーパー約100店舗の閉店計画。

その背景には、インフレによる仕入れ価格の上昇、人件費や物流費の増加、店舗の老朽化、人口の変化、競争の激化などがあります。

一方、消費者も食品の値上がりに直面し、少しでも安く買える商品やお店を探しています。

つまり、売る側も買う側も、物価高の影響を受けているのです。

スーパーにとっては、安さだけで競争するのではなく、品質や品ぞろえ、利便性も含めて選ばれる店になることが重要です。

消費者にとっては、よく買う商品の価格を比較し、無理のない範囲で買い方を工夫することが家計を守る一歩になります。

ただし、今回の閉店計画だけで、すべてのスーパーが苦境に陥っていると判断することはできません。企業や店舗によって、経営状況は異なります。

私たちシニア世代にとって、スーパーは単に商品を買う場所ではありません。

毎日の食卓を支え、地域の暮らしを守る大切な場所です。

これからも、安心して買い物ができる環境が続いてほしいものですね。

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